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出たがりな演出家?君がそんなタイプだとは
夢にも思ってなかったよ。前説で出てきた時には、それが松崎史也だと気づいていない観客が大半だったのに、喋り始めると「え、」「ウソ」の生声と微かに漏れる控えめな悲鳴に似た歓声。今をときめく「人気演出家」の登場、しかもその格好は「アンサンブル」(しかもコメディバージョン)にちゃんとメイクもされてる。いつもの丸メガネかけてなかったら、登場した瞬間に気づかなかったかも知れない、、、というくらいにはこの「マクベスSC」の世界観にドンピシャ。さすがこの作品をつくった演出家さま。。。
CMS初めてのシャッフル公演冒頭
この時点では、松崎史也をやっぱり「人気作品をたくさん演出してるすごい人」と思ってて、なんで出てきちゃうの?って思った。あ、すごい誤解なく読んで欲しいんだけど、めちゃくちゃ言葉わるいけど、本気でかっこいいと思ってて、そう思った理由を書いていくので、、、ディスってないことだけは信じてほしい。
あたし達が若いころ、演劇ばっか観てた頃は、舞台にあがっちゃう演出家を「出たがり」「かっこ悪い」「演出家は演出だけしてろ」みたいな風潮があって。しかも人気取りとか、作品はそうでもない(つまらない)、とか、、、今だったら炎上?的な??…蔑まれるように結構たたかれちゃってて。取材もめったに受けないような演出家が良しとされてる時代があった。まぁもちろんそんな時代は終わったし、史也さんはイベントにも出ちゃうし、作品の裏話とか話してくれるからお客様にもファンは多い。実際に史也さんが登場した時、本当にうれしそうな声があちこちから聞こえてきて、人気者なんだなって実感した。
だから余計に「役者としても出る」っていうことに、動揺した自分がおりました。だって史也さん、そういう演出家、嫌いだったでしょ?作品も、そういう演出家自身も…(勝手な妄想と勝手に史也像を作り上げたオタクです、ご容赦を)まぁもちろん史也さんが昔役者やってることは知ってるし、今も演出家メインだけど、ホンも書くし肩書から「役者」消えてないし今も「役者やりたい」とおっしゃるし。知ってるけど、その違和感が拭えなかったのは事実。
SP/ACE=project主宰兼このCasual Meets Shakespeare『MACBETH SC』脚色・演出を担当した松崎史也です
こう挨拶したの。この挨拶って、他の作品じゃ絶対にない。人気作品の演出家じゃなくて、今ここにいるのは自分が主宰した団体の公演だから。だから好き勝手します、とは言ってないんだけど、そう聞こえたそう理解した。もうだって、勝手がすぎるもん。今日初めて観る人?って聞いて、後ろの連中にも聞かせたいから「拍手で」って要求しちゃう。しかも「え、シャッフルがこの作品のはじめて、、、」って、おい!・・・・・・ここしか当たらなかったオイラ、そういうお客様いっぱいおるのよ?あなた自分の人気ご存じじゃないの??・・・納得せざるを得ない。これは仕事として作品の演出をする普段とは違う「松崎史也」の側面。初めて拝見する「演劇を楽しむ姿」なんだろうな。
ぜひシャッフルを見終わった後に「答え合わせ」でシリアスを
今回、落選がいっぱいでた先行抽選を考慮してか、注釈付きチケとか配信とか、まぁまぁ頑張ったよね。前売りチケットがなくても、なんとか観る方法がある。
さっきの質問でほとんどが「シリアスとコメディ」どちらか、もしくは両方を観劇済み。でもわずかではあったけど、シャッフルが初めてだというお客様に、答え合わせでという発言。
なぜ笑っているのかわからないところもあると思う、ベースのシリアスとコメディを観たらそれが理解できる
このシャッフル公演は「お祭りだ」と言いながら、やっぱり作品の良さや「なぜ面白いか」を「理解してほしい」という思い。演劇が好きで、その思いを伝えたくて、そして集まる仲間たちとゲストキャストのみんな。そして作り上げてきたものをやっぱり「伝えたい」という史也の芯の部分。愛される演出家、演劇人、なんだって改めて。
前説にシリアスマクベスで登場する鯨井さん
松崎さんがマクベスとマクベス夫人に与えたという「試練」について話し始めると、それに物申す「ツッコミ」として登場する鯨井康介、すっごく上手い人。顔が怖いのに、だれからも好かれるキャラと芝居。徐々に壊れていくマクベス役、ハマり役。期待されてる以上のものを出す。演出家が好むタイプだよね。さぞ演出家には従順なんだろうと思いきや、、、
ツッコミ禁止じゃないのよ?おかしいでしょ?そしてなんで俺シリアス?
加えて史也さん「君だけはちゃんとシリアスで。あとはきっと好き勝手やってくるでしょーけど。(観客に)みなさんも、もしツッコんじゃったら、何回ツッコんだか数えてポストして」客にもむちゃぶりする始末。楽しそう。そしてこれは後説(カテコ三回目)で明かされるんだけど、史也さんが出演することになったのは鯨井さんが「出なよ?俺らにだけシャッフルとか言ってないで、出ちゃいなよ」と言い続けてたから。これに対しての仕返しなのかなぁ、、、ツッコミどころしかない舞台上で「ツッコミ禁止」って。まぁほぼ冒頭に「僭越ながらポイントの話はそのくらいで、、、」って勢いのない言葉で、ボケまくる王とその娘(?)を制してるから、禁止はものの数分だったけどね笑
それでも我慢してたらしく、途中で発狂するシーンもあり。それについては後述します。きっと。
本来コメディのマクベス夫人は、外見をシリアスバージョンにして登場
このCMSにずっと出てるコメディエンヌには、シリアスを要求する自称鬼演出家。全身と表情全部、声色に妙な動き、挙句に変な節回しまで、、、使えるものは何でも使って力づくで笑いをもぎ取るためだけに生きてる女優さん。(個人の感想。前回のオセロから2作品目、観劇回数は合わせて7回くらいのニワカがすみません💦でもいろんなお芝居みてる、自称演劇オタクの自分がそう判断してる、間違いないきっと)でも出来るんだ、っていう確かな演技力と信頼感。10年かぁ、その時間がなせる鬼指令、笑いを取りにいくことを封印かぁ、、、ほかのキャストはやりたい放題の中、この人達は、いろんな足かせ手かせを付けられて、前代未聞の「シャッフル」に向かっていく。その話を前説でばらして、かっこよく前口上たして、かっこよく去っていく松崎さん。はい、もう
好き勝手やるけど?なにか??
はい理解。じゃ拝見しますよ、その思いを。好き勝手の先に見えるものまで。見せてくれるんでしょーね、一気に期待が高まりました。さあ、やっと本編へ。(前説だけで長いんよな、自覚しかない)
コメディに侵食されるシリアス勢の中、率先してコメディを楽しむ男
コメディ版バンクォーたん(赤澤燈くん)の完コピ、田口涼。シャッフル後に観たシリアスでぶっとんだよ。ラブラブだったじゃん?まぁコメディ版のまおんちゃんベイン相手に、じゃあほかにどんなバンクォーがあったのか?と聞かれたら、、、ないんだけどね、きっと。他に方法はなかった。んでもさ、涼くんにはやっぱりコメディじゃないって言った史也くんの言葉が蘇る。(オセロ円盤発売イベのコメント)
某2.5次元作品だと、ずっと一人でボケたり繋いだりして確実に笑いをかっさらうのに、なぜかこのシリーズはシリアス側に配置される、涼くん。その理由が分かった。涼くんはコメディを自分が一番楽しんじゃうんだなって。コメディ版バンクォーたんやってる涼くん、めちゃくちゃ楽しそうだった。ずっと笑顔だった。そして、イケメンさわやか、しかもいい人で、ずっとマクベス信じてて殺されちゃうバンクォーを楽しんでた。そして笑いが起こると嬉しそうだった。
・・・なるほど。そうか。史也くんは田口くんにCMSに参加する時点で、いっちばん重い指令くだしてたんだな。田口くんが演劇に芝居に、役作りに一生懸命に、と。わざと苦手な方を、、、一番愛されてるな、史也くんに。をまた感じた。オセロの時に書いたのはこちら
その時と同じ、CMS演出家に一番愛される男ナンバーワンだった。
自らがコメディ版で進んでくもう一人、ダンカン王
シリアス・コメディ共に同じ役、登場シーンではシリアスだったのに、次のシーンではコメディで出てきて「さっきと同じ人です」とか言っちゃうやりたい放題。好き。それに対する鯨さん、たぶん一番(ツッコめない)ストレスたまったろうなぁ、、、まぁ後に発狂して発散し、それを演出家にぶつけてスッキリしてたから良いんだけどねきっと。その後もシリアスとコメディを自由自在に入れ替えて、なんなら舞台上でシリアス(黒)衣装脱いで途中からコメディになっちゃう。さすがに「ここから変わるんですね」っていうまたしても勢いのないツッコミしちゃうよね鯨さんも。この関係性というか、舞台上で何があっても何をしても大丈夫っていう実力者同士のせめぎあいを見たな。遠慮なんかないし、でもどっちも引かない、みたいな。本当にお疲れ様でした。。。好き。古屋敷さん、好き。
最初はシリアスでやってるのに、徐々に陥落する様が可哀そうまであったマグダフ
奥さんと息子がコメディの方々。・・・不戦敗決定、始める前に勝負が決まってた可哀そうなパパ。お膝とお耳どっちがいい?・・・おひざ。・・・言わないと進まないもんね。このどうしようもない、言わないと終わらない、そして舞台が進まない、、だから「おひざ」と「もみもみ・・・」を言わされてる感のお芝居がとっても素晴らしい。腹痛くなるくらい笑った。それがコメディだと思う、あらためて。演者が一生懸命やればやるほど笑ってしまう、その様。
絶命寸前に意味不明なことを同時に言う最愛の妻と息子に「何言ってるんだよぉ」という絞り出すようなツッコミ、、「何させてんだよぉ、まつざきさーん(笑笑笑)お腹いたすぎますよぉ」ですわ笑
北村さん、初めましてだけど、とっても誠実さが素敵で印象的、、、そして
マルカス王子とのシーンは、シリアスでやりきったマグダフ
まおんベインちゃん相手に、ほぼシリアスを崩さなかったマルカス王子。プロレス技かけられるとこでも王が「そのマルカスにはあまりそういうのやらないほうが・・・・・・」って言っちゃうくらい、絶対にシリアスを崩さない気合い感じてて、、すごいなって。まぁコメディ版の誰かにひっぱられるのが嫌だっただけで、自分から進んでコメディぽくしてたとこもあったけどね・・・ほーほーほー、、、じゃないのよマルカスさーん、、、二階通路の芝居でもちゃんと声が響いてるのよ。通路全部つかって打倒マクベスに向かってくとこで、草?木?もって出てくるとこで、マルカスさんの声が響いてました~シリアス版でやってなかったもん笑
その引っ張られたくないを一番感じたのが、マグダフとマルカス王子の二人のシーン。ここさ、シリアスだと先に退場するドナルベインとイングランドの人なんだね、あとから知った。でも退場しないじゃんコメディ版の二人。間にいて、ずっと何とかしよう、とするんだけど、何やっても「シリアス版のマグダフとマルカス」だったの、すごかった。こうあるべき、このシーンは。だって、妻と子を殺された復讐じゃなくて、国のために暴君を撃ちに行くってシーンなんだもん。それを次期王に決心させる、王として決心するっていう大事なとこ。
このあと・・・まおんベインに円陣させられたのも良かったけどね、さすがだわ、、意地でもシリアスで終わらせるか!っていう気合いを感じた。この遠慮のない攻防がみてて気持ちいい。演技の異種格闘技?とにかくその力技を浴びた。疲れた。最上級の誉め言葉な、これ。
前説・松崎さん、旧コーダー王、劇中はマツベスと、精神科の医師・・・と大活躍っすわ史也さん
前説は前述のとおり素、ただの松崎さん。マツベスは、次の王に立候補する人。これもほぼ松崎さんかと思いきや、ちゃんと役作りしてる。これは芝居、自分が演出家だったとして、どういう風にあるべきかを公約としてみんなに言って聞かせよ。みんなはそれを聞いて、どっちが次の王に相応しいか考えて手をあげるように、という無茶ぶり。ここは鯨さんとして真っ当なことを答えるマクベスに対してマツベスは
「誰よりも後に稽古場に入り、役者は全員俺の言う通りに演じ、飲み会は全員が揃ったところで演出家の俺が登場する、演出家とはそういうものだ」
そのうえ
「みんな、これからのことを考えて手をあげるように」と怖い演出家としてのプレッシャーまで与える始末。
でもみんな知ってるじゃん。松崎史也がそういう演出家じゃないことを。まぁそういう演出家はいっぱいいるんだけど、彼がそうじゃないことはさ。
だから当然にマクベス圧勝。最後はもうはけて、って言われて連れてかれるマツベス。
……ええ、あなたのせいです、公演時間が30分も延びたのは笑
でも体感は50分くらいだったよ、この時間が一生続けばいい、、、とは思わなかったけど、早く終わればいいのにとは一瞬も考えなかったくらい圧倒的に「楽しい」を受け取りました。
お芝居は、エンタメは、演劇という表現に答えはないし、正解がないものを改めて教えていただきました。勉強させていただきました。
……ということで、シャッフルは松崎史也がやりたいことをやる、そして演者同士は、いかに自分たちの芝居をやり通して相手側を翻弄させて引っ張り込むかの戦い。
次も是非観たいので、次はこれを大楽にしてスペシャルエディションとして計画すべし。このチケットを手にしちゃったら、それにはまず、コメディとシリアスを観ておく。そのうえで、最後のお祭り(もうやりたいことを存分にやりきって終わり)にしたら良い。それが最高のCMSシャッフル公演の楽しみ方だと、声を張り上げて主張させていただく。
ここまで読んでいただきありがとうございます。長かったね~まだまだ書きたいことあったんだけど、この辺で。これからもお芝居を、演劇を、エンタメを、、、いいものはおすすめしていきます。
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